「遺言させる」その一言の重みを知っていますか―法定相続と指定相続

公開日:  最終更新日:2017/10/02

遺言・相続ノート39遺言制度は、どうしてあるの?

法律によって相続分は決まっています。しかし「相続させる」という遺言により、その法律によって決まっていた相続分を変えることができます。そして、法定相続と遺言による指定相続の効果は「本質的に異なるところはない」と平成14年6月10日最高裁判例において示しています。

遺言という個人の意思が法律と同等の結果をもたらしますが、このような意味において個人の意思が法律より優先されます。したがって、遺言には、法律より優先するという「重み」があります。「遺言」によって、相続人間で争う場合もあり、相続人の絆を深めることがあります。

相続による相続分は法律で決められているが、遺言によって相続分が決められることがある。しかし、複数の相続人間の絆は、相続分によって決められるのではなく、相続人の思いによって絆が強くなり、または壊れることもあります。そして以前記した「婚姻関係終了届」についても同様のことが言えます。

遺言を行うか否か、婚姻関係終了届を提出するか否かも個々人の意思に任せられています。しかし、両制度には異なる点があります。それは、相続にあたって自分の財産や自分の人間関係の後始末を自分で行い、自分と関係した人へと引き継いでいくことです。しかし婚姻関係終了届は、自分と関係する人との間の関係を生きていながら断ち切ることであり、各々の意思によって影響を受ける人の範囲もまた異なっています。

 そして、遺言を行うにあたって、公正遺言証書については公証人や証人などの複数の人を介在させることができる一方、婚姻関係終了届は他人が書類作成することはできるものの、届け出は自ら行います。しかし、公正遺言証書の作成を専門家が行い、相続開始の際、遺言の検認は、遺言者の最後の住所地にある家庭裁判所のもとで行います。

 法律家や専門家が介在するときというのは、紛争が生じた時や契約書作成などの紛争を予防する際です。法律が、なぜあるかというと、紛争を予防するためという指摘があります。もちろん、それだけではなく紛争を解決する指針となります。法律家や法律は、表だって活躍することは稀と言えるでしょう。

 しかし、自筆遺言証書や「遺言させる」という一言で紛争が生じ、相続人や関係する人たちは、時間や費用の負担という代償を支払うこととなります。この場面で専門家の存在を知ることになるでしょうが、法律が紛争の予防という面があるのであれば、あらかじめ専門家や法律家に依頼することで、紛争を予防し時間や費用の負担を軽減することが可能でしょう。専門家や法律家には、その役割を果たす義務があります。

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