共有財産の相続人が不在の場合は誰が相続するの?

公開日:  最終更新日:2017/05/18

遺言・相続ノート29 共有財産は誰が相続するの?

―共有財産である不動産の持分について、その持分を所有している被相続人において相続人が不在の場合、その不動産についての共有関係はどうなるのでしょうか。

 

一筆の不動産をAとBが共有を行っており、Aが亡くなったが、Aには相続人がおらず相続人が不在の場合は、どうのようになるのでしょうか。

 

相続財産が、共有財産でない場合は、被相続人の遺言や特別縁故者である内縁の妻や事実上の養子などの請求がない場合、公告が2回行われ、それでも相続人や特別縁故者が現れない場合は、国庫に帰属します。しかし、法律の優先順位によると、このような共有している持分が相続財産の場合、Aと共有関係にあったBが、Aが所有していた部分を他の共有者であるBが所有し、BがAの持分をも所有することになります。

それは、Aの共有持分が国庫に帰属すると、国とBが一筆の不動産を共有することになり、管理上の複雑な関係が生じないように、そして共有の相手が国とでもなくとも共有という複雑な所有関係を解消するためとされています。

 

しかし、Aの法定相続人が不在であったとしても、内縁の妻や事実上の養子、Aを療養看護した者などの特別縁故者がいた場合は、その特別縁故者からの財産分与の申し立てを行った場合は、判例上は、どうなっているのでしょうか。

 

 

平成元年11月24日判決においては、特別縁故者からの財産分与の申し立てがあった場合は、その特別縁故者が家庭裁判所の判断により、その持分を分与されます。その理由として、他の財産と同様に特別縁故者に財産分与されない合理的理由がない、そして換価されていない共有財産だけ特別縁故者に分与されないこと、遺言がない場合何らの分与を受けられない場合に備えて家庭裁判所の審判による特別縁故者への財産分与の制度があるにもかかわらず相続財産が共有持分ということで分与されないことは不合理である、としています。

すなわち判例では、相続人が不在の場合は、①特別縁故者②他の共有者の順で、共有持分を分与されることになります。

 

― 特別縁故者について、BがAの特別縁故者になるとは限りませんが、一筆の不動産をAとBで共有していたということは、BがAは何らかの関係があり、法律の優先順位からもBが特別縁故者として、Aの持分を所有することがあり得る、という意見があります。

 

特別縁故者といっても、亡くなった被相続人との関係の範囲については、法律では、被相続人と生計を維持していた者、被相続人の療養看護を努めた者、その他被相続人と特別な縁故があった者としています。しかし、それらの者から申し立てがあった場合であっても、家庭裁判所の判断によって分与されます。

 

 

特別縁故者からの申し立てが行われた場合、家庭裁判所の判断で特別縁故者に分与されるのか、他の共有者に分与されるのかが家庭裁判所の考慮によるので、具体的妥当な判断が行われるというのが、判例の多数意見でもあります。

シェアありがとうございます

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
PAGE TOP ↑