慰藉料請求権も相続できるの?慰藉料請求権は誰の権利?

公開日:  最終更新日:2017/05/18

遺言・相続ノート21 慰藉料請求権の相続について

  慰藉料請求権の一身専属権について―慰藉料請求権は、被害者の精神的苦痛を慰謝するものであり、個人の身の上に関わる権利とも考えられています。

 そのため、譲渡性・相続性がないという判決がありました。   他人の身体や自由又は名誉について害を与えた場合や財産権を害した場合を問わず、損害賠償の責を負った者は、財産以外の損害についても賠償を負います。 損害賠償請求権と言っても、昭和42年の判例では、慰藉料請求権は金銭債権であるとしています。そこで、慰藉料請求権はその財産以外の損害についての広義の損害賠償請求権と言えます。 しかし、被相続人が事故に遭い、その精神的な苦痛に対しての被相続人である被害者の慰藉料請求権は一身専属権であり、慰藉料請求権について相続が可能かどうかを否定する説が存在します。この判例においては、慰藉料請求権の相続性が肯定されていますが、その裁判理由には反対意見が付されています。 やはり単純な金銭債権とは言えず、慰藉料というのは、被害者の精神的苦痛を慰謝するものであり、主観的で個人的なものである、としています。そこで、慰藉料請求の意思表示が慰藉料請求権を行使するという形であらわれるまでは、一身専属的な権利である、としています。

 

  そこで、被害者による慰藉料請求権の意思表示は必要でしょうか 

― 被相続人である被害者が、慰藉料請求権の意思を示すことなくして死亡してしまった場合、また慰藉料請求権の意思を示すことができないような重傷を負った際、消滅時効に係ってしまう場合、大規模事故において全員が死亡してしまった際、慰藉料請求権の意思表示を立証することが難しい場合があり、慰藉料請求権の意思表示が明示されなかった時、慰藉料請求権の相続の可能性を否定してしまいます。

  そして、慰藉料請求権が、被害者の精神的苦痛を慰謝するものとして、被害者が慰藉料請求権の意思を示したか否かによって相続の可否が決定すると、事故に遭った後、慰藉料請求権の意思表示が明示し権利を行使した場合と意思表示を示すことができなかった場合との均衡を失します。   慰藉料請求権自体を認めたとしても、損害賠償請求権と併せた金銭債権が、多大に増額されるものでもなく慰藉料請求は裁判官の心証によって左右されることがあるでしょう。

  また、慰藉料請求権の相続性を否定することで、被害者が即死した場合など、遺族に対して、重大な加害者は常に慰藉料支払いの義務を免れるという懸念が指摘されています。  

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