株式は単独相続できるのか?それとも共同相続になるの?

公開日:  最終更新日:2017/05/29

遺言・相続ノート30共有相続となる財産は不動産の相続財産だけなのか?

 

先回のノートにて、共有財産となることがあり得る相続財産には不動産がありました。では、共有を行う財産は不動産だけなのでしょうか。このノートでは、不動産以外の相続財産において共有する財産とは何かを、以下で考察していきます。

 

 被相続人が死亡した際、相続が始まるとされています。そして相続人が決定され、相続人についての相続分が決定します。実際に、相続人が決定され、財産が相続人に分与されるまでには、時間がかかります。財産が相続人に分与されるまでの間、相続財産は、どのような状態におかれるのでしょうか。

相続人が複数いる場合、相続財産が相続人に分与されるまでの間、複数の相続人において相続財産が共有される形になっています。そして相続人各々に分与されることで共有関係が解消されます。しかし、不動産建物のように物理的に分与することが難しいものは相続人の相続割合に応じて持分を決定し、不動産建物を共有することになります。

 

次に、分与することが難しい財産には、株式・国債・投資信託受益権についてみていきます。株式においては配当を受ける権利と議決権等を行使する共益権があります。株式を例にしてみると、相続財産である100株を4人の相続人で分与すると、一人当たり25株ずつになります。しかし、株式100株を保有することで株主総会での議決権を行使できると、その会社の定款で定められている場合、4人の相続人に25株ずつ分与できたとしても相続人は、各1人では議決権を行使できなくなってしまう可能性があります。

 

また、例として103株の株を被相続人が保有していたとし4人の相続人に等分するという場合は、株式103株を等分することができません。

 

昭和45年最高裁判決では、準共有という概念をもって、複数の相続人が相続財産である株式を当然に相続分を分割されることはないと判示し、このような準共有にある株式については会社の事務処理の便宜を考慮し、株主の権利行使を行う者を一人で会社に通知することを確認しています。

 

平成2年判決では、複数相続人の株式の準共有をしていることを前提に、共同相続人の準共有株主の地位に基づく権利について判決が行っています。

 

 株式の他にも、国債や投資信託受益権なども、権利を行使することが可能な口数単位が決まっていることが多いことから、相続人が複数いる場合、共同相続となったこのような財産は相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない、と平成26年最高裁は判示しています。

 

では、準共有とは、どのようなことなのか疑問が生じます。

―準共有とは、相続財産である株式や国債、投資信託受益権を複数の相続人で完全に共有するところまでもありませんが、株式の共益権や国債売却などの権利行使、投資信託を売却する際、準共有している複数相続人の意見一致に基づいて権利行使すると考えて良いのかもしれません。

 

 

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