無駄にならない遺言の書き方とはーみんなでまとめて遺言?

公開日:  最終更新日:2017/05/18

遺言・相続ノート22  相続人が共同して遺言ができるの?

遺言には、複数の種類があります。自筆遺言証書・公正遺言証書・秘密遺言証書があり、そこで、遺言として成り立つ条件は、以下の通りです。

1 自筆遺言証書ではすべて自筆であること

2 作成した日付があること

3 署名・押印があること

  自筆遺言証書、秘密遺言証書では、遺言書の内容を遺言者で自筆することから注意すべきことが、他にもあります。   そこで、2人以上の遺言者となる者による遺言書は有効なのでしょうか。 つまり、2人以上の複数の者の署名があった場合の共同遺言は、遺言書としての条件を満たしていれば成り立つのでしょうか。   法律では、共同遺言の禁止を明記しています。その理由を考えてみましょう。

  自筆遺言証書であっても、公正遺言証書、秘密遺言証書であっても、遺言者が死亡した後の財産について、遺言者の意思を遺言書に託すこととなります。   遺言者となる者が複数いたとしたら、複数遺言者となる者のそれぞれの意思を、直接、遺言書に表現することが難しくなります。複数遺言者となる者のそれぞれの意思を調整した遺言となってしまいます。それでは、個々の遺言者となる者の意思が、明確に尊重されないおそれがあります。   また複数の遺言者のうち一人でも亡くなると遺言の撤回が難しくなり、また遺言の効果の発生時期が不明確である、と考えられています。

  共同遺言は、複数の者の意思が反映された遺言書であることから、一の者の意思が直接反映されないこと、撤回や遺言の効果の発生時期が複雑となることから共同遺言が禁止されたと考えられます。   という以上の理由が考えられ、同一の遺言書について複数の者による署名を行う共同遺言を認めていないと考えられます。   ただ、一通の封筒に、各々の遺言書に各々の署名をした遺言書を同封することは可能です。

  共同遺言は認められるのか?― 共同遺言を認めるとなると、遺言を行う複数の者の意思が完全に一致する必要があります。そして、その内の一人が亡くなられた場合の遺言の効果について、撤回する際の取り決めをするなど、複雑な関係が発生します。そのため、遺言の有効性を争うなどの争いの火種を作りかねないと言えるでしょう。そこで、共同遺言の実現は難しいと言わざるを得ません。 自筆遺言証書や秘密遺言証書では、以上のような点にも気をつけなればなりません。しかし、その他にも、遺言に関して法律で定められていることはあり、有効で確実な遺言証書を作成するには専門家のアドバイスが欠かせないでしょう。

○ホッと知識 昭和56年の判例で同一証書における連名が争点となった共同遺言の例では、同一の遺言証書に連名の署名があるものの、署名をした者の片方のみが全てを自筆し、その遺言証書が共同遺言とされ無効となった事案です。

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