連帯債務の相続をすると相続人と債権者は損をするの?

公開日:  最終更新日:2017/06/26

遺言・相続ノート32連帯債務を相続すると債務負担は軽減されるのでしょうか

はじめに、連帯債務とは、どのようなものなのでしょう。ひとつの金銭債務つまり借金を、複数の人が、それぞれ債務全金額を返済する責任を負っている、というイメージです。連帯保証と異なり、金銭を貸した人である債権者は、連帯債務者である人誰にでも、その債務全額の返済を求めることができます。

金銭債務を共同相続した場合には、相続した金銭債務が、通常の連帯債務になり全債務を各相続人が負担するのか、それとも相続分に応じて負担するのかが判例において焦点となりました。

連帯債務を相続した際、相続人の連帯債務における負担分は、昭和5年の大審院において判例があるように、相続分に応じて、連帯債務を相続人が負担するとされています。その後の昭和29年判決も同様に、連帯債務の相続において相続する負担分に応じて分割するということを示しています。

昭和34年の最高裁判決は、金銭債権は法律上当然に分割され相続人の相続分に応じて承継すると解し、連帯債務においても相続分に応じて承継し、承継した範囲において連帯債務者となる、と判示しています。判例は一貫して、連帯債務においても相続分に応じて債務を承継すると、しています。

 しかし、個人間の相続であれば連帯債務を可分債務とすると、債務を共同相続した相続人の負担は減りますが、企業間において連帯債務を承継した場合、影響があるでしょう。

 

そして相続においては、相続人が相続財産を放棄することが認められています。借金である負の財産だけではなく、通常の相続財産をも放棄することになります。では、相続人が連帯債務を相続放棄したい、その時、どうなってしまうのでしょうか。そして、その際、その債務の負担は誰が負うことになるのでしょうか。

そこで、連帯債務を相続する際、相続人が被相続人の財産をすべて放棄することになった場合、もともと被相続人と連帯して債務を負っていた他の連帯債務者が、すべての債務を負担することになります。連帯債務は、連帯債務者のすべてが負担割合に応じて負担しているのではなく、債務のすべてを各連帯債務者が負担していることから、負担割合すなわち負担金額には変わりありません。

債権者にとって、一人の連帯債務者から債権を回収できなかった場合、他の債務者から金銭を回収することができ、金銭を貸与するにあたっての担保を得ることができます。しかし、複数の連帯債務者のうち一人が亡くなり、相続人が相続を放棄することで担保がなくなってしまいます。連帯債務は、債権者にとって、このようなリスクが伴っています。

しかし、連帯債務において相続分に応じて債務を承継するということは、相続を行いやすくなり、債権者にとっても債権の全てが回収できないというリスクはなくなり、連帯債務者にとっても、債権者にとってもメリットがあるといえるでしょう。

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