相続不動産は誰のもの?登記をしないと相続できないの?

公開日:  最終更新日:2017/07/10

遺言・相続ノート33不動産の登記を行うと相続の手続きが完了?登記をしないと不動産の買い手に対抗できない!?

相続の開始は、被相続人が死亡すると相続が開始します。死亡後、有効な遺言があれば相続手続きが、速やかに進みますが、遺言がない場合、遺産分割協議を行います。

はじめに遺産分割協議の結果が相続開始まで遡るのか、検討します。

平成17年9月8日判決は、相続開始時から相続した不動産の賃料は誰が取得するのか、について判断しています。不動産の賃料は不動産の所有権に基づいて得られる果実であり、それ自体が遺産分割の対象となる財産ではない、と指摘しています。

不動産の賃料は、遺産分割によって該当不動産財産を所有することになった相続人が得る利益であり、相続した所有権は遺産分割後、被相続人の死亡時である相続開始まで遡ることから、遺産分割前の賃料は遺産分割等によって決定した不動産の相続人が得ることとなります。

 

次は、不動産の譲渡の原因となる売買契約等の行為が行われた時期によって、行為の第三者が不動産の所有者になるか、相続人が所有者となるか、を記していきます。

遺産分割前に不動産を売却してしまう相続人がいた場合、購入者の第三者の所有権は、どのようになるのでしょうか。複数の相続人が存在している場合、第三者への不動産売買が相続開始時から遺産分割前であれば、当然、遺産分割がなされておらず相続分与が確定していないことから、遺産分割による相続人は売買時には不動産の相続登記を行うことはできません。

遺産分割が相続開始時まで遡及することから、遺産分割前と遺産分割後では第三者保護の法的根拠である適用条文が異なっています。そして第三者が保護される範囲すなわち売買契約が有効となる範囲が遺産分割前と遺産分割後では異なる場合があります。

・遺産分割前の売買契約による第三者

昭和38年の判決によると、相続分割後に相続開始までさかのぼって相続よる所有権を得た相続人は、相続不動産の持ち分について、登記がなくても分割前に行われた売買によって譲渡を受けた第三者に対抗することができると判断しています。しかし、遺産分割前の売買契約等であっても、売買契約等処分を行った相続人が相続した場合は、当然、第三者との売買契約等は有効となります。

・遺産分割後の売買契約による第三者

遺産分割後には既に不動産の所有者が決定しており、その後、行われた売買等によって譲渡を受けた第三者の地位を覆すことは法律関係の安定を害します。しかし、不動産の場合、法的には登記の表示を信じて不動産を取得したとしても、登記は、登記に表示されている者が持ち主であるという公信力はありません。ただ、二重譲渡があった場合と同じように、遺産分割後、相続登記をした相続人か、売買契約などに基づいて不動産登記をした第三者のどちらが保護されるかは、登記を先にした方が他の者に対抗できる、という結論になります。

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