開業医に後継者がいない時、廃業せざるを得ないのか?その時どうする?

公開日:  最終更新日:2017/12/11

遺言・相続ノート44 個人開設医療機関において相続が発生したときに、相続が本当にできるのでしょうか

・なぜ、個人開設医療機関の承継問題は難しいの

医師の数は年々増えており、医療を受けたい患者数も増えています。しかし、有床診療所は大幅に減少しています。そこで、退院後の患者の医療ニーズを受け入れる体制として、今、地域医療が求められています。しかし、地域にある個人開設医療機関である診療所は、地域医療の衰退と後継者不足によって廃業問題へと発展しています。そのことによって、地域医療の要としての役割を果たせずにいます。

そこで、国家として、地域医療の衰退を防ぐ政策を推進し始めており、厚生労働省は、そこで個人開設医療機関の事業承継に関わる税制上の優遇措置を考えています。

 

・この承継問題についての国の対策

2018年度の税制改正において、厚生労働省より、「個人事業者の事業用資産に係る事業承継時の負担軽減措置の創設」の要望が行われています。その内容として、個人開設医療機関に関わらず個人事業者の存在を重視し、次世代への継続的な経営承継を行い、持続的な発展を支援することを目的としています。

個人開設医療機関に限らず、個人事業者を重要視している理由として、顔の見える身近な専門家であり、消費者が信頼できる存在として、その消費者のニーズに応えることが可能であるとしています。そして、柔軟性をもって、地域で求められる経済活動を行うことを小規模企業に期待し、その存在を支える個人事業者を、さらに国として支えていく政策の一環として見ることができます。

 

・開業医の相続において承継される財産とは何か?

個人クリニック等を経営する開業医において、後継者がいない場合だけではなく、後継者がいたとしても、次の承継者または次世代への承継する所有財産を考える際は、様々な財産について考える必要があります。財産の内容としては、可視化できる財産である不動産と動産財産、診療内容等の個人情報データ等の形なき財産、その他の財産に分類することができ、その分類において分けて検討する必要があります。

次回以降のノートにおいて、以下の3つの課題を検討していきます。

第1の課題として、不動産と動産等である可視化できる財産について、各々の財産を引き継ぐ方法が異なることが考えられます。承継できる可視化財産を大まかに分類し整理し、検討することを課題とします。そして第2の課題は、診療内容等の個人情報データ等の可視化できない形なき財産と他の承継する財産について、どのような承継を行うのかを検討します。第3の課題として、個人事業者の後継者が不在であっても、その個人事業者の財産を維持することと持続的な発展の支援が望まれる場合、どのようにして個人事業の財産承継を行っていくか、を検討します。

 

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